額作り (Vol.32-10)


全くの自己流ですが
こんなふうに額を作ってます。




中に入れる作品に合わせて、
大きさや木の種類を決めるといいのですが、
今回は規格サイズで作ってみました。

写真は『Vカットマット』という市販品のマットです。
写真材料店や額屋さんなどで手に入ります。
これに合わせて額枠の内面の大きさを決めました。
木はナラです。


作品に合わせて
額屋さんでマットを作ってもらうことも出来ます。
また、マットを自作するなら、内側をVカット出来る
カッターナイフも売っています。

中に入れるガラスもガラス屋さんで切ってもらえますが
今回は透明アクリル板を自分でカットしました。

他に
留め爪や紐を用意しておきます。



製作


フレーム断面の角度が正確に直角になるように
カンナ掛けします。
ここが直角でないと
出来上がりに隙間が出来てしまいます。
切って売っている材料は90度でなかったり
反りがあるので最初に基準面だけは
まっすぐ、直角、、、が大切。

でも、実際はこれが一番難しい、、、



自動カンナで幅、厚みを合わせます。



トリマー台、あるいはルーター台で板の加工をします。
裏面内側の落とし溝の深さは
ガラス板、マット、作品、クッション、裏板の厚み分です。
深めの方が後からクッションで調整できますね。

額の表内側になるところも
組んでからはトリミング出来ないので、
先に好きな形にトリミングしておきます。



外周になるところのトリミングは組んでからの方がいいです。

こういうL型の材料を買ってきて作るという手もありますが、
歪んでいることが多いです。



卓上丸ノコ(クロスカットソー)で45度にカットします。
かなり正確に45度の面が得られます。面もきれいです。

但し、切る方向を間違えやすいです。
額作りをやる人は、この失敗を
一度はやりますね。

ノコギリでゴシゴシやる治具や
テーブルソーで45度にカットしてもいいです。

でも、長さや角度がピッタシでないと、
だんだん小さな額になってしまいます (^^;



こんな具合にトリミングとクロスカットが終わりました



コーナーの接着部の圧締具ですが
色々ありますね。




一番気に入っているやり方は
釣りで使い古しの太い糸で、
ぐるぐる巻きにするやりかたです。
角にはガムテープを貼って
糸の食い込みや接着を防ぎます。
横に板を挟んで適当なテンションをかけられます。
釣り糸でなくても幅広の紐でもいいですね。

木工ボンドが固まるまで、
上から板を乗せて重石を置いておきます。
圧は緩めに全体に強く。

理想的にはしっかり圧締した方が良いのでしょうが、
圧を加えすぎて、歪んでもいけません。
隙間をとるか、歪みをとるか?
このへんが素人っぽいですね。



丸ノコやカッターで角の部分に
溝をつけます。

留めを付けるとアクセントになるので
濃い色の板を挟みます。



留めを入れて木工ボンドで固着します。
はみ出した部分はベルトサンダーや
アサリの無い鋸で落とします。

外周をトリミングして、研磨後、
オスモカラーを塗りました。



裏板を固定する留め爪や紐を付けられるように
金具を付けます。



作品を入れて完成です。

これは最もシンプルな形ですが
デザイン、色、材質、 テクニック、、、、、
限りなくあるようで奥が深いです。

自分で額を作ってみると
美術館に行っても絵よりも額の方に
目が行ってしまいます。

簡単そうで難しい額作りでした。